日本赤十字社に対する寄付金

 

寄付金の損金不算入

寄付金の損金不算入。
法人税法で出てくる論点ですがなんとなく覚えにくかったので振り返ってみようかなと。

税務上「何でもかんでも寄付金にして損金に計上すれば法人税がやすくなるぞ!」というずるい考えを規制するために、損金の不算入額というのが決められています。

寄付金は以下の3つに分かれ、上から順に損金に算入できる金額が大きくなります。
・国等に対する寄付金または指定寄付金
・特定公益増進法人等に対する寄付金
・その他の寄付金

今回は寄付金のなかでも損金計上できる枠が大きい日本赤十字社に対する寄付金について書いていきます。

日本赤十字社に対する寄付金

日本赤十字社とは災害・紛争などにより苦しんでいる方たちを助けるための活動をする団体です。

日本赤十字社に対する寄付金の用途は大きく3つあります。
①活動資金
②義援金
③海外救援金

①は
被災者に対する医療活動、防災講習など赤十字社の広い活動に対するものです。

②は
被災状況や被災者の数に応じて、最終的には地方公共団体が配分するものです。
義援金は、日本赤十字社→義援金配分委員会→地方公共団体→被災者という流れで動いていきます。

③は
日本の赤十字社が海外での紛争・災害の救援をする海外の赤十字社に対して拠出するものです。
海外の赤十字社の活動資金に充てられます。

公共性が高い=損金

寄付金が損金算入できるかどうかは、公共性が高いかどうかで覚えましょう。

①の活動資金は、被災者のための医療活動もありますが、防災の講習のための費用など日本赤十字社が行う活動費用が含まれていることから著しく公共性が高いものではありません。
そのため比較的公共性が高いものとして、特定公益増進法人等に対する寄付金に該当し、一部損金計上になります。

②は、最終的には、地方公共団体が配分するものであることから、公共性が著しく高いものであるといえます。
よって国等に対する寄付金として全額損金計上になります。

③も、海外の赤十字社の活動資金に充てられるものであることから、一部は、被災者に対するものではない活動であるため、比較的公共性が高いものとして、特定公益増進法人等に対する寄付金に該当し、一部損金計上になります。

また財務大臣の承認を受ける寄付金(毎年4月から9月まで)は全額損金算入できる寄付金です。

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