インボイスの「出張旅費特例」
インボイスの出張旅費特例。
社内で旅費規程を定めていれば、インボイスの保存が不要と以前の記事で書きました。
インボイス「旅費交通費」まとめ – aihara blog (aihara-tax-blog.com)
ですが、国税庁のインボイスQ&Aをよく読むと、かならずしも旅費規程を定めなければいいけないようではなさそうです。
インボイスQ&A 問107
インボイスに関するQ&Aの問107に書かれています。↓
107.pdf (nta.go.jp)
ここではこのようなことが
社員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われます。
この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
この「通常認められる部分の金額」は所得税基本通達9-3に書かれています。
所得税基本通達 9-3 非課税とされる旅費の範囲 | 法令集 (zeiken.co.jp)
ちょっとわかりにくいですが、ふつうに仕事で使う旅費であれば「通常認められる部分の金額」と考えます。
この規定やQ&Aに、「旅費規程を定めなければならない」という文言はひとつもないです。
旅費規程を定めなくても、定めていて規定外の費用でも「通常認められる部分の金額」であればよいというわけです。
まあ所得税基本通達9-3の「役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたもの」の基準≒旅費規程と読み取れなくもないですが。
結局、なんの証拠もないと消費税だけでなく、法人税・所得税の観点で見ても、経費として認められない可能性が高いですからね。
支払った証拠として、預金の支払履歴でもよさそうですが。
他の税法も加味すると、強い証拠として旅費規程は必要なのかなあとも思ったり。
実費精算・概算払いは問わないが…
この「出張旅費特例」による旅費の精算は、法令上、実費精算・概算払いの有無は問いません。
しかし、あくまでこれは「旅費精算」の規定なので、会社が直接、旅費を支払った場合はインボイスがなければいけません。↓国税庁のパンフレット参照。(このパンフ日付がないのが気になる…)
0023011-048_03.pdf (nta.go.jp)
なので、ひとり社長の場合は、基本的には普通にインボイスを保存しましょう。
個人名義で支払いをしている(アマゾンなどのネットショッピング)ことが領収書に記載されてしまっている場合は、会社に対する立替金精算書を作成し保存しておくとベストです。(面倒だけど)
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