中小零細企業の配当について

 

配当実務について調べる

自分に割り振られた担当のお客様から電話が入りました。

文面であいさつしただけだったので、電話越しで初めましてという感じでご挨拶をし、要件を聞きました。

要件としては、株主に配当を出したいとのこと。

社長ひとりで作った会社ではなく、家族や友達?から共同で出資して作った会社とのこと。

いままでのお客様で配当出したい方がいなかったので、予備知識がありませんでした。

「とりあえず決算が終わってから、定時株主総会で決議するので、決算のほう進めてまいります。終わったら後ほどご連絡します。」
みたいな返答で逃げました。

ということで非上場の中小零細企業の配当について調べました。

配当の要件と流れ

利益がでたらどんな会社でも配当ができるわけではありません。
以下の要件があります。

・配当前、配当後の純資産価額が300万円以上であること
・(その他資本剰余金の額+その他利益剰余金の額)-自己株式の帳簿価額の額(【分配可能額という】)以下であること。

ほとんどの場合では、(その他資本剰余金の額+その他利益剰余金の額)-自己株式の帳簿価額≒繰越利益剰余金ですね。

この2要件をクリアします。
その後株主総会で配当決議をします。
決議では、次の4つの事項を定めます。
・配当財産の種類(基本は金銭)
・配当総額の帳簿価額
・配当財産の割り当て事項
・配当の効力発生日、基準日(原則、期末)

配当財産の割り当てに関しては、1株につき1万円のように割り当てます。
この場合、10株持ってる人には10万円、20株持ってる人には20万円のように持ち株数に応じて平等に割り当てることが原則です。

そして配当をするにあたって、配当額の10分の1の利益準備金を積み立てなければいけません。
なお資本準備金+利益準備金の額が資本金の4分の1以上であるときは積み立てる必要はありません。
また積立金額は分配可能額を下回らなければいけません。

これらの事項に注意して、株主総会により配当額が決定したら、効力発生日に株主に支払います。

その他の配当実務での注意点

流れは上記のような感じで。

他には気を付けなければいけないことは、3点ほどあったので記します。

①配当源泉税を納める
配当をするとき、源泉税を差し引きます。
非上場の中小企業でしたら、20.42%の源泉税を引きます。
差し引いた源泉税は、支払月の翌月10日までに納付します。

②支払調書等の提出
株主ごとに、支払調書と合計額を記載した支払調書合計表の2種類を作成し税務署へ提出します。
期日は、支払確定日(記名)又は支払った日(無記名)から1か月以内です。(税務署の確認書類なので、過ぎてもペナルティはなさそうです。)

また非上場会社の年1回の配当支払で、10万円以下のものは提出しなくてよいそうです。
また支払いをする側・受ける側のマイナンバー、法人番号が原則必要です。

③配当を受けた方は、確定申告をして税額控除を受けられる
配当を受けた方は、所得税と住民税の配当控除が受けられます。
所得税は配当所得の10%、住民税は配当所得の2.8%です。
(課税所得が1,000万円以下)

税額控除ですので、例えば50万円の配当を受けたら、所得税・住民税合わせて6.4万円も税金が減ります。

まとめ

主な分野としては、公認会計士試験ででてくる会社法がメインなのか?。
税理士試験に会社法欲しい。

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